はじめに

この記事を書いている僕は、プログラミング経験ゼロの30代会社員です。共働きで、小さい子どもが2人います。

このブログ「AIと暮らす。」は、僕がClaude Codeというツールに話しかけるだけで作ったサイトです。コードは1行も書いていません。大事だったのは「やりたいことを言葉にできるか」だけでした。

一度、完全にブログを諦めた話

実は、このブログを始める前に一度ブログを完全に諦めています

4〜5年前、WordPressで読書ブログをやっていました。子どもが小さかったので、朝5時過ぎに起きて6時15分まで作業。夜は子どもが寝た21時半頃から23時まで。休日は昼寝のタイミングで。

一番時間がかかっていたのが文章の構成を考えること図解を作ることでした。読んだ本の学びをPowerPointで図解にまとめていたのですが、1記事分の図解だけで6〜7時間。文章の構成、執筆、WordPressへのアップロード、デザインの調整まで含めると、1記事あたり約15時間かかっていました。

こだわってこだわっての割に、世の中の記事と比べるとクオリティは高くない。サイト全体の設計もプロの目線が入っていないから、微妙なまま。時間をかけてもアウトプットの質が低い。その自覚はあったんです。

それを1年間で約20記事。トータルで300時間近く費やした計算です。

さらに問題だったのは、戦略の解像度が低かったこと。「どこにニーズがあって、自分のどんな強みを活かして、どういう収益モデルで回すか」——そういう全体像がないまま、我流で断片的な知識をもとに続けていました。一貫性もなかった。

家族に迷惑をかけている自覚もありました。まとまった時間が必要な作業なので、パソコンの前にいる間は声をかけられるのも嫌だったし、奥さんも気を使って声をかけないようにしてくれていた。お互いにストレスでした。

そこに仕事が忙しくなって、朝5時起きも夜の作業も難しくなった。進捗も出ない。気づいたら、フェードアウトしていました。完全に諦めていた。もうブログはやらないつもりでした。

AIとの出会い、そして再起

それから時が流れて、仕事のピークも過ぎた2025年の秋。生成AIが「結構すごいぞ」という話を耳にして、Udemyで片っ端から動画を観ました。9月から12月まで、生成AI関連の講座を見まくった。

その中に、ブログと生成AIを掛け合わせている講師がいました。サイト設計、ニーズ調査、記事構成——ブログの基本をちゃんと教えた上で、AIも活用している人。「これだったら、もう一回やれるんじゃないか」。

ただ、その講師はWordPressが前提で、文章はAIには書かせない方針でした。僕は違う考えを持っていました。結局、AIは渡された情報をもとにアウトプットするもの。であれば、一次情報を密度高く、リアルな感情込みで渡せば、AIがうまくまとめてくれるんじゃないか——そういう仮説がありました。

同じ時期に、AIコーチングも受けました。Udemyの特典で、GPTs(ChatGPTのカスタム版)を使った自己分析プログラム。「好きなこと」「得意なこと」「価値観」の3軸で、AIからの質問に口頭で答えていく形式です。1セッション1時間×3回、トータル3時間。

出てきた結果は、自分でも驚くほど解像度が高かった。核心にある価値観は「大切な人が、より良い状態で生きられるよう、寄り添い・整え・支え続けること」。得意なことは「物事を分解して考える力」——複雑なことを要素ごとに整理して、初心者にもわかるように伝えられる力。そして好きなことの中心にあったのは、自宅サウナを軸にした「心が静かに戻ってくる丁寧な暮らし」でした。

この3つを統合すると、ひとつのコンセプトが浮かび上がった——「心が軽くなる仕組みを、静かに・丁寧に整理して手渡すブログ」

その中心にあったのがサウナでした。意外性はありませんでした。むしろ「やっぱりそうか」という感覚。消去法ではなく、確信でした。

新築時に家庭用サウナを導入していたこともあり、年末年始の休みを使って、家庭用サウナに特化したブログ「サウナと暮らす。」を立ち上げました。

WordPressの壁、ふたたび

ラッコキーワード(検索ニーズを調べる無料ツール)とGemini(GoogleのAI)でニーズ調査をして、Claude(AnthropicのAI)のデスクトップアプリで記事構成をディスカッションして、自分の一次情報を渡しながら記事の執筆まで一緒にやって。そこまでは順調でした。

問題は、それをWordPressに落とし込もうとしたときに起きました。

記事の構成やキーワードリストはAIと作れる。でも、WordPressのデザインを整えるのは結局マウスでポチポチする作業。パソコンの前に張り付かないとできない。

読書ブログの時と同じだった。まとまった時間がないと何も進まない。声をかけられるのが嫌で、奥さんも気を使う。あの時と同じパターンだと気づきました。

子育てしながらブログを続けるなら、「ちょっとパソコンを触って、その間に家事をやって、また戻ってくる」ができないと無理。WordPressではそれが不可能だと、2回目で確信しました

この時点でConoHa WING(コノハウィング)というサーバーに1年契約していました。1万円ちょっと。ドメインの移行も2027年の1月までできない。

でも、Geminiにこの悩みを相談したんです。「口頭ベースで伝えるだけで、記事も構成もデザインも含めてやれる方法はないか」と。

返ってきた答えがAstro(Webサイトを作るためのフレームワーク=骨組み)でした。CSS(デザインの設計図)でデザインを組み、あらかじめ完成したページを配信するので爆速。YouTubeで調べているとCursor(AIが搭載されたプログラム編集アプリ)というツールが良さそうだとわかり、試してみたら本当にAstroでブログを作ってくれた。

さらにGeminiと最新の技術スタックについてディスカッションした結果、Cloudflare Pages(Webサイトを無料で公開できるサービス)にたどり着きました。Astroと相性が良く、セキュリティも高く、しかも無料。

ざっくり言うと、WordPressとの違いはこうです

  • 表示速度: WordPressはページを開くたびに裏側で毎回ページを組み立てるので重い。Astroはあらかじめ完成したページを配信するだけなので爆速
  • 自由度: WordPressはデザインテンプレートや追加機能パーツの範囲内でしかカスタムできない。Astroは「シミュレーターを作って」とAIに伝えれば何でも作れる
  • 安定性: WordPressは追加機能パーツ同士の干渉で突然サイトが真っ白になる(通称「死の白画面」)。Astroはその心配がない
  • メンテナンス: WordPressは追加機能パーツの更新が次々溜まる。Astroはそもそもその仕組みがない
  • コスト: WordPressは月1,000円以上のサーバー代が必要。Astro + Cloudflareはサーバー代0円
  • 操作方法: WordPressはマウスでポチポチ。Astro + Claude CodeはAIに話しかけるだけ

詳しい比較は別の記事で書きます。

Cursorの限界、そしてClaude Codeへ

ただ、Cursorには問題がありました。

CursorのProプランでは、精度の高いClaudeモデルをコード生成に使うと、2〜3日で上限に達してしまう。代わりに「Auto」モードという上限なしのAIが使えるのですが、これが完全にガチャ。レベルの高いAIに当たれば精度の高いコードが出てくるけど、低いAIに当たると使い物にならない。品質のばらつきがストレスでした。

結局、僕がやっていたのはこういうワークフローです:

1
Claudeに口頭で指示

Claudeのデスクトップアプリでやりたいことを伝え、詳細な指示書を作ってもらう

2
Cursorで実行

その指示書をCursorに投げてコードを生成・実行させる

3
エラー対応もClaudeに

エラーが出たら、そのエラーをコピーしてClaudeに貼り付けて分析してもらう。そしてまた2に戻る

Claudeのデスクトップアプリはブログ全体のファイルを把握できなかったので、Cursorで、ブログの設計図にあたるファイルをすべて1つにまとめて、それをClaudeに読み込ませていました。でもファイル容量がとんでもないことになって、すぐにAIが処理できる情報量の上限に達してしまう。また新しい会話で一からやり直し。これではやりきれないと感じていました。

そんな時、Claude Codeの存在を知りました。ブログを構成するすべてのファイルを把握しながら、コードの生成も修正も一気通貫でやってくれる。試してみたら、Cursorを通す必要がなくなった。最初は月額¥3,400のProプラン(Google Play経由)で始めたのですが、使い込むうちにセッション上限が気になるようになり、月額$100のMaxプランにアップグレード。上限を気にせず使えるようになった。

こうして、今の構成——Claude Code × Astro × Cloudflare Pages——が出来上がりました。

実際にかかっているコスト

項目費用
ドメイン(.dev)年間$13.42(約2,000円前後)
サーバー(Cloudflare Pages)0円
Claude Code(Max Plan)月額約$100
合計月約$100 + ドメイン代

WordPressの時はConoHa WINGに年間約12,000円(サーバー+ドメイン込み)払っていました。サーバー代がゼロになったのは大きい。

奥さんの反応が変わった

ブログの作り方が変わって、一番実感したのは家庭内の空気が変わったことです。

WordPress時代は、パソコンの前にかじりついていないと何もできなかった。まとまった時間が必要だから、声をかけられるのが嫌だったし、奥さんも気を使って声をかけないようにしてくれていた。

今は、AIに指示を出したら、その間に洗い物ができる。子どもが騒ぎ出したら、すぐに対応に行ける。パソコンにかじりつく必要がなくなったんです。

奥さんからは「パソコンに張り付いてないのがいいね」「前より楽しそうにやってるね」と言われるようになりました。

楽しそうに見えるのは、実際に楽しいからです。前は作りたいものが技術的に作れなかった。今は自分の想像以上のレベルでアウトプットできる。その変化が、楽しさにつながっています。

AIに書かせることへの確信

「AIに文章を書かせるなんて、薄っぺらい記事にならないか?」

最初は僕も直感だけでした。Claudeの文章がかなり人間らしいと感じたのがきっかけです。「一次情報を密度高く渡せば、AIがうまくまとめてくれるはず」——仮説を立てて、実際に試してみました。

やったのは、AIとディスカッションしながらAIへの自己紹介シート(自分の思い、感情、サウナのスペック、体験データなど)をひとつのファイルにまとめていくこと。そして、AIにはこうルールを設けました——「不足している情報があれば、どんな小さなことでも質問してくれ」

これが効きました。AIから質問が来て、自分では引き出せなかった情報が出てくる。それをまたコンテキストに還流させる。この繰り返しで、プロジェクトコンテキストの厚みが増していき、記事の質も上がっていった。

直感が確信に変わった瞬間です。使えば使うほど、どんどん精度が上がっていく。今では最初にバッと思いを伝えるだけで、かなり納得度の高いアウトプットが出てきます。

このブログで発信していくこと

このブログで発信していくこと
  • 非エンジニアがAIだけでブログを作る全過程 —— ゼロからサイト公開・運用までの実録
  • AIに任せて失敗したリアルな話 —— 捏造データ、事実誤認、同じミスの再発。正直に記録します
  • コスト・時間・品質の定量比較 —— WordPress時代と何がどう変わったか、数字で検証
  • 共働き子育てでも続けられる仕組み —— スマホからの更新、隙間時間でのAI活用
  • 一次情報 × AIの分業という考え方 —— 体験を集めるのが人間、伝わる形にするのがAI

すべて僕の実体験に基づいた内容です。推測や一般論ではなく、実際にやってみた結果を数字付きで記録していきます。

「プロと同じ土俵で戦える」と感じた瞬間

初心者が一番困るのは、今の進め方がプロの目線で見たときに適切なのかわからないことです。本を読んでも、自分が今直面している課題にピンポイントで刺さる答えはほとんどない。結局、Googleで調べて断片的な情報をつなぎ合わせるしかなかった。

AIはここを根本的に変えてくれました。自分の課題に対してピンポイントに、プロの目線で最適な提案をしてくれる。フィードバックを返せば、それを踏まえた次の提案が来る。自分専属のプロが常に伴走してくれている感覚です。

デザインの提案もそうです。たとえばシミュレーターを作るとき、「初期費用はこう設定できて、頭金も変えられて、金利は初年度と2年目以降で切り替えられるようにして」と具体的に伝えると、僕の要望を満たした上で、予想を超えたデザインで返してくれる。しかも「なぜこのデザインがいいか」をプロの視点で理由付きで説明してくれる。

WordPress時代は、自分の感覚だけが頼りでした。今はプロの選択肢の中から選べる。この違いは本当に大きい。

正直、月額$100は安いと思っています。何でもできる優秀な社員を月$100で雇っているようなもの。変なコミュニティに入会するよりも、よほど価値がある。高額なコンサルや、よくわからないコミュニティに入る必要はもうないと思っています。個人ブロガーレベルであれば、AIが専属の伴走者になってくれる

一次情報がすべて

最後にひとつ、僕がブログをやる上で一番大事だと思っていることを書きます。

AIはプログラミングもデザインも文章の整形もできます。正直、僕がやっていることの大半はAIがやってくれている。

でも、一次情報だけはAIには作れない

僕のサウナブログでは、実際に家庭用サウナを使って電気代を測り、太陽光の発電量を記録し、室温データをデータベースに入れています。このデータは、現物を持っている僕にしか集められない。

体験を集めるのが人間、それを伝わる形にするのがAI。この分業が、僕のブログの作り方です。

AIを使えば、プロの知識がなくても、共働き子育てで時間がなくても、プロと同じ土俵で戦える時代が来ている。月額$20のClaude Proプランでも、スポット的に手伝ってもらう使い方なら十分始められる。僕は24時間フルタイムで伴走してほしいから$100のMaxプランを使っているけれど、入口は月$20から開いています。

あなたにも、あなたにしか集められない一次情報があるはずです。僕にとっては今、希望しかありません。