結論:スマホ1台で、外出先からブログを更新できる

僕は毎日、会社の昼休みに1時間ほど散歩をしています。だいたい4,000〜5,000歩。以前はYouTubeで音楽を聞きながら歩いていたんですが、ある日思ったんです。「この時間、Claude Codeに指示を投げられたら、めちゃくちゃ生産的じゃないか?」と。

もうひとつ決め手になったのが、朝の「承認待ち」問題です。出勤前にClaude Codeでブログを触って、途中で「承認待ち」の状態になる。でもそのまま家を出ると、帰宅するまで作業が止まったまま。スマホからアクセスできれば、会社の駐車場でサッと承認を済ませて、作業を再開できるはず——。

そんなきっかけで、スマホからClaude Codeを操作できる環境を作りました。構築にかかった時間は約1時間。追加コストは0円です。

構築時間
約1時間

初回セットアップのみ

追加コスト
0円

すべて無料ツール

必要ステップ
5ステップ

この記事の手順通りでOK

この記事では、僕が実際に使っているモバイル開発環境の構築手順を、5ステップで解説します。

完成イメージ

通信の流れはこうなります。

スマホ(Termius)
  ↓ Tailscale VPN(暗号化通信)
自宅 MacBook Air

Claude Code → git push → Cloudflare Pages に自動デプロイ

ポイントは、自宅のMacBookにスマホから安全にリモート接続して、MacBook上のClaude Codeを操作するという構成です。スマホ自体でコードを書くわけではありません。

VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット上に「自分だけの安全な通路」を作る仕組みです。カフェのWi-Fiからでも、自宅のパソコンに安全に接続できます。この記事ではTailscaleという無料のVPNサービスを使います。

  • Tailscale — スマホとMacを安全につなぐVPN(無料)
  • Termius — スマホ用SSHクライアント(無料)
  • Amphetamine — Macのスリープを防止(無料)
  • Claude Code — Mac側にインストール済み(Max Plan 月額$100)
  • GitHubアカウント — コードのバージョン管理とデプロイに必要

すべて無料枠で動きます。Claude Codeの月額は別途かかりますが、モバイル環境のための追加費用はゼロです。

Step 1: Tailscaleで自宅Macに安全につなぐ

Tailscaleは、面倒なVPN設定なしでデバイス同士を安全につなげるサービスです。ルーターのポート開放も不要。

1
MacBook側のセットアップ

tailscale.com でアカウント作成 → Mac用アプリをインストール → ログインすると 100.x.x.x のIPアドレスが割り当てられる

2
スマホ側のセットアップ

App Store / Google Play から Tailscale をインストール → 同じアカウントでログイン

3
接続確認

MacBookのセットアップ時にTailscaleが割り当てたIPアドレス(100.x.x.x)をメモしておく。スマホのTailscaleアプリで同じアカウントにログインし、MacBookが表示されていればOK

MacのTailscale IPアドレスは、セットアップ時にアプリ画面に表示されます(例: 100.104.124.88)。このIPアドレスは後のステップで何度も使うので、メモしておいてください。

Step 2: Termiusでスマホからターミナル操作

Termiusは、スマホからSSH接続できるターミナルアプリです。

SSH(Secure Shell)とは、離れた場所にあるパソコンを安全に遠隔操作するための仕組みです。スマホからMacのターミナルを操作するときに使います。

1
ホスト情報の登録

Termiusを開き「New Host」→ Hostname にTailscaleのMac IPアドレス(例: 100.104.124.88)、Username にMacのユーザー名を入力

2
接続テスト

Macのログインパスワードで認証 → Macのターミナルが表示されれば成功

3
エイリアス設定(おすすめ)

Macの ~/.zshrc に alias blog=‘cd ~/Desktop/ai-blog && claude’ を追加。以降 blog と打つだけでClaude Code起動

エイリアスの設定方法はこちらです。

# ~/.zshrc に追加
alias blog='cd ~/Desktop/ai-blog && claude'

以降、Termiusから blog と打つだけで、プロジェクトフォルダへの移動とClaude Codeの起動が同時に完了します。

Step 3: Claude Codeの認証を通す

SSH経由でClaude Codeを初めて使うとき、認証が必要です。

1
Claude Codeを起動

Termiusから claude コマンドを実行

2
/login を実行

認証用のURLがターミナルに表示される

3
スマホのブラウザで認証

表示されたURLをコピーしてスマホのブラウザ(Chrome等)に貼り付け → 承認ページが開くので承認ボタンを押す → Termiusに戻ると「Claude Max」として認証完了

注意: SSH経由だとMac側のブラウザが自動で開きません。URLを手動でコピーしてスマホのブラウザに貼り付ける必要があります。PCが手元にある場合は、/login を実行するとブラウザが自動で承認ページを開くので、そちらの方が楽です。

重要: /login で認証しないと、API従量課金モードになってしまいます。必ずMax Planとして認証されていることを確認してください。

Step 4: GitHubの認証を通す

Claude Codeからコミット・プッシュするには、GitHub CLIの認証も必要です。SSH経由ではブラウザ認証が使えないため、Personal Access Token(PAT)(=パスワードの代わりに使う認証用の文字列)方式で設定します。

PATの作成

1
GitHubでトークンを生成

スマホのブラウザで github.com/settings/tokens にアクセス →「Generate new token (classic)」を選択

2
スコープ(=トークンに許可する操作の範囲)を設定

reporead:org にチェック。この2つがないとClaude Codeからの操作でエラーが出ます

3
Termiusで認証を実行

gh auth login → HTTPS → Paste an authentication token → コピーしたPATを貼り付け

Termiusで実行するコマンドは以下です。

gh auth login -h github.com

選択肢が表示されたら:

  • プロトコル → HTTPS
  • 認証方法 → Paste an authentication token
  • コピーしたPATを貼り付け
✓ Logged in as your-username

が表示されれば完了。Claude Codeからのコミット・プッシュが通るようになります。

Step 5: スマホからローカルプレビューを見る

Claude Codeで記事を書いたら、公開前にプレビューで確認したいですよね。

通常の pnpm dev だと localhost:4321 で起動しますが、これはMac自身からしかアクセスできません。スマホから見るには、--host オプションを付けます。

pnpm dev --host 0.0.0.0

—host 0.0.0.0 は「このMacに接続できるすべての機器からのアクセスを許可する」という意味です。これを付けないと、Mac自身のブラウザからしかプレビューを見られません。

そしてスマホのブラウザで、localhost の代わりにTailscaleのIPを指定します。

http://100.104.124.88:4321

これでスマホからリアルタイムでプレビューを確認できます。実機でのレスポンシブ表示チェックにも使えるので一石二鳥です。

実際の使い分け:スマホでやること、PCでやること

環境を作ったはいいけど、実際どこまでスマホでできるのか?僕の使い分けはこうなっています。

スマホでやることPCでやること
記事の修正・微調整記事の新規執筆
デザインの軽い修正レイアウトの大幅変更
ブログ戦略の相談画像の加工・配置
定量分析(GA4・GSC)じっくり考える作業
Claude Codeの承認作業

意外かもしれませんが、ブログの戦略相談や定量分析もスマホからやっています。Google AnalyticsとSearch ConsoleをMCP(Model Context Protocol=AIツールと外部サービスをつなぐ仕組み)でClaude Codeに接続しているので、「今週のPV推移を見せて」「検索クエリの傾向を分析して」といった指示をスマホから投げるだけで、データ分析が完了します。

判断基準はシンプルです。ガッツリやるならPC、サクッとやるならスマホ。新規記事の執筆はやっぱり画面が大きいPCの方がやりやすい。でも、ちょっとした修正や確認作業なら、スマホで十分です。

折りたたみスマホなら、さらに快適

僕はSamsung Galaxy Z Fold7を使っています。実は、このモバイル開発用途も意識して折りたたみスマホを選びました。大画面と2画面分割が、モバイル開発では圧倒的に効きます。

左画面右画面
Termius(Claude Code)Google Keepメモ(音声入力用)

なぜ2画面が必要なのか

SSHターミナル(Termius)では、スマホの日本語IMEや音声入力がうまく動きません。予測変換が暴走したり、入力がチャタリング(同じ文字が連続入力される現象)したりします。

そこで右画面のGoogle Keepメモで音声入力 → テキストをコピー → 左画面のTermiusに貼り付け、というワークフローで回避しています。

通常のスマホでも同じことは可能ですが、アプリを毎回切り替える必要があります。Z Fold7なら2画面を並べたまま作業できるので、ストレスがほぼありません。

折りたたみスマホじゃなくても使えます。ただ、モバイル開発を本気でやるなら、折りたたみ端末の体験は別次元だということは伝えておきたいです。

僕がハマったポイント3つ

1. MacBookがスリープしてTailscaleが切れる

MacBookの画面を閉じると、電源アダプタを接続していてもWi-Fiが切断されることがあります。僕もこの問題に結構ハマりました。

  • 対策①: Amphetamine(無料アプリ)でスリープを防止。「ログイン時に起動」「自動的にセッション開始」「スリープ解除時にも自動的にセッション開始」をすべてONにして、常時スリープ防止状態にしておく
  • 対策②: macOSのバッテリー設定で「電源アダプタ使用時はディスプレイがオフのときに自動でスリープさせない」をON
  • 対策③: それでも切れる場合は、ターミナルで sudo pmset -c disablesleep 1 を実行

僕の場合、対策①〜③をすべて試しても、MacBookの画面を完全に閉じると通信が切れてしまいました。最終的な解決策は、MacBookを1〜2cm開けたままにしておくことです。完全に閉じなければ通信は安定します。見た目はちょっと不格好ですが、確実に動きます。

2. Termiusで日本語入力ができない

前述の通り、SSHターミナルではスマホの日本語IMEがまともに動きません。英語のタイピングしかできないため、Claude Codeへの日本語の指示出しにはひと工夫が必要です。

これがスマホ開発の唯一にして最大の欠点です。PCなら音声入力で直接Claude Codeに指示を出せるのに、スマホだとGoogle Keepメモを経由するワンクッションが入る。慣れれば大したことはないですが、やっぱり直で音声入力できた方がだいぶ楽です。ガッツリ作業するときはPCを使う、という使い分けの最大の理由がこれです。

  • 対策: Google Keepメモで音声入力 → コピー → Termiusに貼り付け
  • Claude Codeへの指示は日本語で送ることが多いので、この運用は必須です
  • 折りたたみスマホなら2画面で並べられるので、切り替えのストレスはほぼゼロ

3. GitHub認証エラーが連鎖する

SSH経由だとブラウザ認証が開けないため、gh auth login で「フリーズ」する場合があります。また、PATのスコープが足りないと missing required scope 'read:org' というエラーが出ます。

  • 対策: Step 4で紹介したPAT方式を最初から使うこと
  • スコープは reporead:org の両方を忘れずに付ける
  • ブラウザ認証(-w オプション)はSSH経由では使わない

スマホ開発で変わったこと

ブログを進める速度が上がった

一番大きな変化は、シンプルに使える時間が増えたことです。昼休みの散歩中にClaude Codeへ指示を投げる。子どもたちと出かけているとき、妻が運転してくれている間に「5分だけ触っていい?」と一声かけて、サクッと修正を済ませる。

以前は「パソコンが手元にないとブログは進められない」と思い込んでいました。でも、この環境を作ってからは、隙間時間でちょこちょこ進められるようになった。まとまった時間がなくても、5分×数回で1記事分の修正が終わっていることもあります。

「こんな時代が来たか」という衝撃

初めてスマホからClaude Codeにアクセスしたとき、正直、衝撃でした。本当にPCのターミナルがそのままスマホに映っている。操作感もまったく同じ。スマホの小さな画面の中に、自宅のMacBookがそのまま入っているような感覚です。

「スマホでプログラミング」と聞くと、どうしてもおもちゃ感を想像しますよね。でも実際にやっているのは、自宅のMacBookを遠隔操作しているだけ。だからClaude Codeのフル機能がそのまま使えるんです。

Claude Codeの「リモートコントロール」機能との比較

実はClaude Codeには、公式の「リモートコントロール」機能もあります。QRコードを読み取ってスマホからアクセスできるものです。僕も試しましたが、今のTailscale環境の方が使いやすいと感じています。

比較項目リモートコントロールTailscale + Termius
セッション1セッション限定複数セッション同時OK
通信の安定性切れることがある安定している
セットアップ毎回QRコード読み取り一度設定すれば接続するだけ
Mac全体の操作Claude Codeのみターミナル操作すべて可能

昼休みにやろうと思ったら通信が切れてできなくなった、ということがリモートコントロールではありました。また、1セッションしか使えないので、トークンを使い切ったときに新しいセッションを立ち上げることもできません。Tailscale環境ではそういう制限がないので、安心して使えています。

まとめ

この記事のポイント
  • Tailscale + Termius + Claude Code の3ツールで、スマホからブログ更新環境が作れる
  • 構築時間は約1時間、追加コストは0円(すべて無料ツール)
  • ガッツリ作業はPC、サクッと修正・確認・分析はスマホ、と使い分けるのがコツ
  • 隙間時間の積み重ねで、ブログを進める速度が確実に上がる
  • 折りたたみスマホ(Z Fold7等)の2画面分割で、さらに快適に作業できる

Tailscale + Termius + Claude Code。この3つを組み合わせるだけで、外出先からスマホでブログを更新できる環境が手に入ります。

昼休みの散歩中に指示を出す。妻が運転している5分間でサクッと修正する。駐車場で承認を済ませて作業を再開する。こういう小さな積み重ねが、共働き・子育て中でも「ブログを続けられる」という自信につながっています。

初めてスマホからClaude Codeにアクセスしたとき、僕は思いました。**「こんな時代が来たか」**と。スマホの画面に、自宅のMacBookのターミナルがそのまま映っている。あの感覚は、ぜひ一度体験してみてほしいです。